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しばらくして、冷蔵庫の開け閉めや食器の音がする。
まさか、まさか・・・・まさかまさかまさか!!
巻ちゃん俺のために手料理とか作ってくれちゃってんのかな?
東堂は座りながら奥のキッチンを除くように首を伸ばしてみたが
全然見えない。
せっかく巻ちゃんが座らせてくれた椅子を立ち上がりたくない気分だが・・・・
「う~ん・・・・」
ひとりうなっていた。
見たいけど、このままできあがるのを楽しみに待つのも捨てがたい。
ソワソワと首を伸ばしていると、巻島が声をかけた。
「俺は夕方来ればいいって言わなかったっけ?こんなに早く来てもやることないっショ」
「ワハッハッ、何を言ってるんだね。俺と巻ちゃんなら何をしていても楽しいじゃないか」
だが、巻島の返事はなく、またしばらく今度はオーブンの音が鳴った。
「誰もいないし、お手伝いさんも今日は帰ってもらったショ。俺はこんなのしか作れないけど、文句言ったら速攻追い出してやるショ」
巻島がコーヒーカップを手に姿を見せてからそれをテーブルに置くと、今度はいくつか皿を手に持ってきた。
パンにレタスやトマト、ハム、チーズを挟んだサンドが乗っていた。
焼けたパンの香ばしい匂いに東堂のお腹が鳴った。
それを聞いて巻島がニヤリと笑う。
「文句も言えないほど空腹か」
東堂も笑った。
巻ちゃんの作ってくれたサンドイッチなんてもったいなくて食べられないよ~
とじっと皿の上のパンを見つめる。
「どうした?冷めたらまずいショ」
巻島は向かいの椅子に座ると東堂の様子を眺めた。
東堂はどういう訳か涙ぐんでいる。
巻島はびっくりしてトーストを持った手を止めた。
「どうしたショ」
「いや、もう・・・まるでこれは新婚家庭みたいで、感激で・・・これがもしかしたら巻ちゃんから俺へのプロポーズだったり・・・イタッ」
東堂の言葉が終わる前に巻島から東堂の頭に手が飛んでくる。
ビタンと言う音がした。
「もういいから腹減ってるなら早く食え!そんなこと言うならもう二度と作ってやらねぇからな・・・ショ」
巻島は東堂に手を伸ばすために立ち上がったので椅子に座り直した。
東堂は顔を上げた。
「ってことは、食べてもまた巻ちゃんが俺のために手料理を作ってくれると言うことだな」
その瞳はキラキラと輝いている。
東堂は皿の上のパンに手を伸ばすとパクッと一口食べてみた。
「んまぁ~」
うっとりとした顔をして巻島を見た。
巻島は少しだけ呆れた顔で東堂を見たが、クスッと笑った。
「当然ショ」
ふたりで巻きちゃんの作ってくれた朝食を食べながら自転車の話をする。
「そんで田所っちがさぁ・・・・金城はすげぇから・・・」
「それだったらうちの福ちゃんだって負けてはいないのだよ」
いつの間にかエース自慢に変わりつつ
それでも一度自転車の話題になると話はつきない。
本当に心の底から楽しくて、この時間が永遠に続けばいいとさえ思ってしまう。
「ところで尽八、食べ終わったのか?」
巻きちゃんにそう言われて自分で空にしてしまった皿を恨めしそうに眺めながら、東堂は渋々頷いた。
<続く>

巻ちゃん俺のために手料理とか作ってくれちゃってんのかな?
東堂は座りながら奥のキッチンを除くように首を伸ばしてみたが
全然見えない。
せっかく巻ちゃんが座らせてくれた椅子を立ち上がりたくない気分だが・・・・
「う~ん・・・・」
ひとりうなっていた。
見たいけど、このままできあがるのを楽しみに待つのも捨てがたい。
ソワソワと首を伸ばしていると、巻島が声をかけた。
「俺は夕方来ればいいって言わなかったっけ?こんなに早く来てもやることないっショ」
「ワハッハッ、何を言ってるんだね。俺と巻ちゃんなら何をしていても楽しいじゃないか」
だが、巻島の返事はなく、またしばらく今度はオーブンの音が鳴った。
「誰もいないし、お手伝いさんも今日は帰ってもらったショ。俺はこんなのしか作れないけど、文句言ったら速攻追い出してやるショ」
巻島がコーヒーカップを手に姿を見せてからそれをテーブルに置くと、今度はいくつか皿を手に持ってきた。
パンにレタスやトマト、ハム、チーズを挟んだサンドが乗っていた。
焼けたパンの香ばしい匂いに東堂のお腹が鳴った。
それを聞いて巻島がニヤリと笑う。
「文句も言えないほど空腹か」
東堂も笑った。
巻ちゃんの作ってくれたサンドイッチなんてもったいなくて食べられないよ~
とじっと皿の上のパンを見つめる。
「どうした?冷めたらまずいショ」
巻島は向かいの椅子に座ると東堂の様子を眺めた。
東堂はどういう訳か涙ぐんでいる。
巻島はびっくりしてトーストを持った手を止めた。
「どうしたショ」
「いや、もう・・・まるでこれは新婚家庭みたいで、感激で・・・これがもしかしたら巻ちゃんから俺へのプロポーズだったり・・・イタッ」
東堂の言葉が終わる前に巻島から東堂の頭に手が飛んでくる。
ビタンと言う音がした。
「もういいから腹減ってるなら早く食え!そんなこと言うならもう二度と作ってやらねぇからな・・・ショ」
巻島は東堂に手を伸ばすために立ち上がったので椅子に座り直した。
東堂は顔を上げた。
「ってことは、食べてもまた巻ちゃんが俺のために手料理を作ってくれると言うことだな」
その瞳はキラキラと輝いている。
東堂は皿の上のパンに手を伸ばすとパクッと一口食べてみた。
「んまぁ~」
うっとりとした顔をして巻島を見た。
巻島は少しだけ呆れた顔で東堂を見たが、クスッと笑った。
「当然ショ」
ふたりで巻きちゃんの作ってくれた朝食を食べながら自転車の話をする。
「そんで田所っちがさぁ・・・・金城はすげぇから・・・」
「それだったらうちの福ちゃんだって負けてはいないのだよ」
いつの間にかエース自慢に変わりつつ
それでも一度自転車の話題になると話はつきない。
本当に心の底から楽しくて、この時間が永遠に続けばいいとさえ思ってしまう。
「ところで尽八、食べ終わったのか?」
巻きちゃんにそう言われて自分で空にしてしまった皿を恨めしそうに眺めながら、東堂は渋々頷いた。
<続く>
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