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調子も出ないし
けど、体調が悪いわけでもないっしょ
やっぱり最近好きなもん食ってないから力がでないとかは・・・
まさか田所っちじゃあるまいしそんなこともないっしょ
きっと気のせいっしょ
ほら、ダンシングだってこんなに決まってるし!
「あれ?巻島さん調子悪いんちゃいます?」
「鳴子か、別にそんなこともないっショ」
だが隣にいた今泉も首を曲げた。
「小野田君はどない思う?」
鳴子はそのまた隣にいる小野田に尋ねた。
「う~ん・・・」
小野田はじっと巻島の顔を覗き込んできた。
「やっぱりあんまり顔色が冴えませんね」
小野田にまでわかるほどなのか・・・
いいや、こう見えても小野田は他の奴らよりも勘が良い。
「あのぅ、多分これ」
と小野田が携帯電話を取りだした。
すると鳴子が嬉しそうにそれを取り上げた。
「なるほど、俺が電話したる」
そう言って鳴子が電話をかけるとそれを巻島の耳に押しつけてきた。
「ゲホッ!ゲホッ!めがねくんか?悪い只今俺東堂は
ゲホッゲホッゲホゲホ・・・」
電話の向こうで咳き込む東堂の声を聞いて
巻島はハッとした。
そいうえばここ数日、毎日電話してくる尽八から電話が来てなかったっしょ
「おまえ体調管理がなってないっショ」
「巻ちゃん?!」
今まで具合の悪そうだった東堂の声が
急に明るく変わった。
「栄養あるもんでも食っておとなしく寝てるっショ」
「巻ちゃぁぁぁん、お見舞いに来てくれる?」
いつもの東堂よりも少しだけ弱気な声を聞いて、巻島は少しだけ眉を寄せた。
「いつもの練習コースには少し飽きてきたところっショ」
ニヤリと口元を上げて急に気持ちが変わっていく
ああ、そうか
俺は尽八の声を聞いてなかったけど
まさかそんなことで・・・
俺もかなりあいつに感化されてるっショ
巻島が微笑みながら自転車を走らせていく。
「東堂さん、巻島さんは今全速力で走っていきましたよ。待っていてくださいね」
小野田が電話に向かってそう言うと東堂からは
何も返事が返ってこなかった。
おそらく受話器の向こうで感激して声が出ないのだろうと
小野田も微笑む。
「尽八待ってろッショ!」
おわり
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